フォーム作成ツールの法律対応の基本
フォーム作成ツールを導入する際は、入力画面の設置ではなく、関連法令への対応が重要です。ここでは主要な法律ごとに、企業が押さえるべき基本ポイントを整理します。
個人情報保護法対応
個人情報の保護に関する法律は、氏名やメールアドレスなどの個人情報を適切に取り扱うための法律です。フォーム作成ツールでは、入力項目が個人情報に該当するケースが多く、取得目的の明示や安全管理措置が求められます。
利用目的はできる限り具体的に示し、本人が理解できる表現で記載することが重要です。また、第三者提供を行う場合は、原則として本人の同意が必要となります。
さらに、一定の要件に該当する漏えいなどが発生した場合には、個人情報保護委員会への報告義務が生じます。フォーム作成ツール側でアクセス制御や暗号化通信に対応しているかも確認すべき要素です。
参考:法令・ガイドライン等|個人情報保護委員会
参考:個人情報の保護に関する法律|e-Gov 法令検索
電子帳簿保存法対応
電子帳簿保存法は、国税関係帳簿書類を電子データで保存する際の要件を定めた法律です。フォームを通じて注文や申込みを受け付け、その内容を取引情報として保存する場合には、本法への配慮が必要です。
特に、電子取引データは電子保存が求められるため、改ざん防止措置や検索機能の確保など、一定の保存要件を満たす体制が重要になります。
フォーム作成ツールがデータのタイムスタンプ付与や履歴管理機能を備えているか確認するとよいでしょう。自社システムとの連携方法も含めて検討することが重要です。
参考:電子帳簿等保存制度特設サイト|国税庁
参考:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律|e-Gov 法令検索
特定商取引法対応
特定商取引に関する法律は、通信販売などの取引において消費者保護を目的とした法律です。フォームで商品やサービスの申込みを受け付ける場合、事業者情報や返品条件などの表示義務が生じます。
表示内容は、利用者が容易に確認できる場所に掲載しなければなりません。フォーム画面内や確認画面にリンクを設置するなどの工夫が求められます。
また、誤認を与える表示は避ける必要があります。料金や契約期間については、明確かつ具体的に示すことが望ましいでしょう。
参考:取引対策|消費者庁
参考:特定商取引に関する法律|e-Gov 法令検索
フォーム作成ツールのプライバシー対策
法律に適合するだけでなく、利用者の信頼を高めるためにはプライバシーへの配慮が欠かせません。ここでは、フォーム運用で重視すべき具体策を紹介します。
同意取得方法の整備
個人情報を取得する際には、利用者から適切な同意を得ることが重要です。チェックボックスによる明示的な同意取得は、基本的な方法の一つです。
同意文は専門用語を多用せず、誰でも理解できる文章が望ましいでしょう。未成年者が利用する可能性がある場合は、保護者同意の取得方法も検討が必要です。
フォーム作成ツールによっては、同意履歴をログとして保存できる機能があります。後日のトラブル防止の観点からも、履歴管理は有効です。
利用目的明示の徹底
利用目的の明示は、個人情報の保護に関する法律において重要な要件です。「サービス向上のため」といった抽象的な表現ではなく、具体的な利用場面を示すことが望まれます。
たとえば「資料送付」「セミナー案内の連絡」など、目的を分かりやすく分けて記載します。目的外利用を行う場合は、あらためて同意取得が必要です。
フォーム作成ツールのテンプレートを利用する場合も、自社の実態に合わせて文言を見直すことが大切です。
データ保存期間管理
取得した個人情報を必要以上に長期間保管すると、情報漏えい時の影響が大きくなります。保存期間をあらかじめ定め、不要になったデータは適切に削除する運用が求められます。
電子帳簿保存法など、法令で保存期間が定められているデータは、その期間に従う必要があります。目的に応じて保存期間を分類する方法も有効です。
フォーム作成ツールの自動削除機能やアーカイブ機能を活用すれば、管理負担の軽減につながります。
フォーム作成ツールの法令違反を防ぐ運用ポイント
法令に対応したつもりでも、運用体制が不十分であればリスクは残ります。ここでは、継続的に法令違反を防ぐための体制整備について解説します。
社内ガイドライン整備
フォームの作成や更新を担当する部署ごとに運用がばらつくと、表示漏れや同意取得漏れが起こりやすくなります。そこで、社内ガイドラインを整備し、統一ルールを設けることが重要です。
取得項目の基準や文言のチェック手順を明文化しておくと、担当者が変わっても一定水準を維持できます。新しい法改正があった場合の対応フローも定めておくと安心です。
フォーム作成ツールの管理者権限を限定することも、統制の一環となります。
定期的な見直し実施
法制度は改正されることがあります。2026年2月時点でも、関連法令やガイドラインの更新が行われています。定期的な見直しを行う体制が欠かせません。
半年または一年ごとに、表示内容や保存設定を確認するためのチェックリストを活用すると効果的です。外部の最新情報を参照することも大切です。
e-Gov法令検索では最新の法令条文を確認できます。改正情報を把握するための参考として活用しましょう。
外部監査活用
自社だけで法令適合性を判断することに不安がある場合、外部の専門家による監査を活用する方法があります。法律事務所や情報セキュリティ専門会社などが支援を行っています。
第三者の視点を取り入れることで、見落としに気づく場合があります。特に大規模な顧客情報を扱う企業では、定期的な監査が有効です。
フォーム作成ツール選定時に、セキュリティ認証や監査対応実績を確認することも判断材料の一つです。
以下の記事ではフォーム作成ツールの価格や機能、サポート体制などを、具体的に比較して紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
フォーム作成ツールの導入は業務効率化に役立ちますが、個人情報の保護に関する法律や電子帳簿保存法、特定商取引に関する法律への対応が欠かせません。法令に沿った同意取得や表示整備、保存期間管理を行うことで、利用者の信頼を高められます。自社の運用体制に合ったフォーム作成ツール選びが重要です。
複数製品を比較し、法律対応やセキュリティ機能を確認したうえで、ITトレンドから資料請求を行い、最適なサービス導入を検討してみてください。


