業務効率化
2026年02月24日

東京都が中小企業の研究開発を最大2,500万円支援、令和8年度の募集を開始

東京都が中小企業の研究開発を最大2,500万円支援、令和8年度の募集を開始

東京都が中小企業の研究開発を最大2,500万円支援、令和8年度の募集を開始(写真はイメージ)

東京都および公益財団法人東京都中小企業振興公社は、令和8年度「新製品・新技術開発助成事業」の募集を開始しました。都内中小企業の技術力強化と新分野開拓を支援するため、実用化が見込まれる新製品・新技術の研究開発費を最大2,500万円まで助成します。申請受付期間は令和8年3月27日から4月17日までで、電子申請システム「Jグランツ」を通じて行われます。

助成対象となるのは、都内に本店または支店を持ち実質的な事業活動を行う中小企業者や、都内での創業を具体的に計画している個人です。製品化・実用化のためのハードウェアやソフトウェアの試作品開発、新サービス創出のための研究開発が対象となり、原材料費、機械装置費、委託・外注費、産業財産権出願費、専門家指導費、直接人件費など幅広い経費が助成対象として認められます。

助成期間は令和8年9月1日から令和10年5月31日までの最長1年9か月で、助成率は対象経費の2分の1以内が基本となります。ただし、賃金引上げ計画を策定・実施する場合には助成率が4分の3以内に拡充され、小規模企業者の場合は5分の4以内まで引き上げられる仕組みです。

中小企業支援における「賃上げ連動型」助成の広がり

今回の助成事業で注目すべきは、賃上げ実施によって助成率が拡充される仕組みが組み込まれている点です。これは近年の国や自治体の補助金・助成金政策に共通して見られる傾向で、企業の成長支援と従業員の処遇改善を同時に促す設計思想が反映されていると捉えられます。

研究開発支援において、単に技術革新を後押しするだけでなく、その成果を従業員の待遇向上につなげることを前提とする考え方は、持続可能な企業成長のモデルとして定着しつつあります。特に中小企業にとっては、限られたリソースの中で人材確保と技術開発の両立が課題となる中、助成率の拡充という形でインセンティブが設けられることは、経営判断における重要な要素となるでしょう。

公的支援制度の活用は企業の財務戦略における選択肢の一つとして認識されています。今回のような研究開発支援は、単発の資金援助ではなく、企業の中長期的な競争力強化につながる投資として位置づけられる傾向が強まっています。

電子申請の普及とバックオフィス業務のデジタル化

申請手続きが「Jグランツ」という電子申請システムに一本化されている点も、行政手続きのデジタル化が進展している状況を示しています。利用には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要となりますが、これは法人向けデジタル手続きの共通基盤として位置づけられており、今後さまざまな行政サービスで活用が広がると見られています。

中小企業にとっては、こうした電子申請への対応が新たな事務負担となる可能性もありますが、一方で書類作成や郵送の手間が省略されることで、申請業務全体の効率化が期待できます。バックオフィス業務のデジタル化という観点では、行政手続きのオンライン対応が進むことで、企業側でも申請管理や進捗把握がしやすくなる環境が整いつつあると言えるでしょう。

ITツール導入を検討する企業が意識しておきたいこと

研究開発を進める企業にとって、助成金の活用は資金面での支えとなりますが、同時に開発プロジェクトの管理体制や成果の可視化といった側面でも準備が求められます。特に助成対象経費の管理や進捗報告は、正確な記録と整理が不可欠です。

こうした業務を効率的に進めるためには、プロジェクト管理ツールや経費管理システムの導入が選択肢となり得ます。また、申請書類の作成や審査対応においては、情報の一元管理と共有が重要になるため、クラウド型の文書管理ツールやコラボレーションツールの活用も検討の余地があるでしょう。ただし、ツール導入そのものが目的化しないよう、自社の業務フローに適した選択を心がけることが大切です。

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まとめ

東京都の新製品・新技術開発助成事業は、中小企業の技術革新を資金面で支援するだけでなく、賃上げ実施による助成率の拡充という形で、企業成長と従業員処遇の両立を促す設計となっています。電子申請の活用が前提となっていることも、行政手続きのデジタル化が着実に進んでいる状況を反映しています。

こうした公的支援制度の変化は、企業経営における戦略的な資金調達や人材投資の考え方にも影響を与えていくと考えられます。今後も同様の傾向を持つ施策が増えていく可能性があり、中小企業にとっては制度の理解と適切な活用が、競争力維持の一要素となっていくでしょう。

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